この記事では2025年4月の体験談をもとに、渡航準備、輸出検査、アメリカ(ロサンゼルス)到着までの流れや必要書類を詳しくご紹介します。
2024年7月に愛犬と共に無事日本に入国しました。
苦渋の決断の末、私たちは1年も経たないうちにアメリカに戻ることに決めました。
この記事を読むと分かること
- 体験談(日本滞在約10ヶ月、米国へ再入国)
- 数年間日本への再入国の予定はなしの場合
- 渡航準備、輸出検査、アメリカ到着までの流れ
- 渡航準備にかかった時間
- かかった総額費用
しばらく日本へ再入国の予定がない場合手続きはとても簡単なので、所要時間は最短で10日です。
しかし、渡航が決まり次第余裕を持って準備を始めることをおすすめします。
日本へ再入国を予定している場合は、日本で事前に一定の処置を済ませておけばスムーズに帰国することができます。
日本からアメリカへ渡航準備
日本は、「狂犬病清浄国または低リスク国」に該当します。
該当するためには過去6ヶ月以上日本に滞在していることが条件です。
日本滞在が6ヶ月未満でその前に「狂犬病高リスク国」に滞在していた場合は、「狂犬病高リスク国」からの入国になるので相手国の入国条件が変わってきます。
アメリカから日本への入国には最低でも7ヶ月を要しひとつひとつクリアするのが大変でしたが、
〝狂犬病清浄国(日本)〟から〝リスクのある国(アメリカ本土)〟への移動はとても簡単でした。
▼日本からアメリカへ渡航準備の流れは次の通りです。

- 日本出国と米国入国条件を確認する
- 飛行機の予約とルールを確認する
- 必要書類を集める
- 輸出検査をして、輸出検疫証明書を発行してもらう
- アメリカ入国時に書類提示
約2ヶ月前に渡米が決まり、渡航準備を始めました。
それではひとつひとつ詳しく解説していきます。
1.日本出国と米国入国条件を確認する
日本を出国するための条件と相手国に入国するための条件を両方満たす必要があります。
条件を確認する
- 動物検疫所の「犬、猫を輸出するには」を読む
- 出国時に利用する空港の検疫所にEメール
- 米国の動物検疫機関のホームページを確認
まずは最新の正確な情報を得なければいけません。
1. まずは動物検疫所の「動物検疫所:犬、猫を輸出するには」をしっかり読み日本側の出国条件を確認しましょう。
2.わからないことがあれば利用する空港の検疫所にEメールします。
出国時に利用するであろう成田空港の検疫所に自分たちの状況と質問をEメールしました。
そして4日後に返信がきました。(出発予定日が近い場合は、優先して返信してくれます。)
詳細が細かく記載されていてわかりやすかったです。
参考までに私たちの状況と質問内容の回答は下記に記載します。
3. 米国の動物検疫機関のホームページ「Bringing a dog into the U.S」や「Entry Requirements for Dogs from Dog-Rabies Free or Low-Risk Countries」などアメリカ側の入国条件も確認します。
アメリカは州によっても条件が違う可能性があるので各州の条件も確認する必要があります。
この体験談は2025年4月にカリフォルニア州からアメリカに入国した時のものです。
必要な書類と条件
- 輸出検疫証明書
日本側で必要な「輸出検疫証明書」を取得するためには、出発の10日前までに輸出検査の予約を取る必要があります。
7ヶ月以内に日本へ再入国する予定の方は、日本で事前に一定の処置を済ませておけばスムーズに帰国することができます。
アメリカで日本へ再入国の準備をする場合、最低でも7ヶ月+約$1,000かかるので注意してください。
>>犬とアメリカから日本帰国!総額費用は?輸入検疫手続きまとめ【体験談】
- 到着時に健康であること
- ペットが6ヶ月齢以上であること
- ユニバーサルスキャナーで識別できるマイクロチップが埋め込まれていること
- CDC Dog Import Form(犬一頭につき1枚)
2024年8月1日以降、過去6ヶ月間に狂犬病清浄国または低リスク国にのみ滞在していた場合、必要な書類はCDC Dog Import Formのみとなりました。狂犬病予防注射について記載はありませんでした。
過去6ヶ月以上日本に滞在していた場合は、これに該当します。
日本滞在が6ヶ月未満でその前に高リスク国に滞在していた場合、手続きが異なるので注意してください。
高リスク国からの入国には狂犬病予防注射は必須です。
私たちの状況
- 2024年7月アメリカから日本入国
- 最後の狂犬病予防注射は2023年7月アメリカで(3年有効)
- 2024年7月家が決まり次第、役所で「飼い犬の登録」
- 日本は1年に1回狂犬病予防注射が義務付けられているが、役所で2024年は受けなくて良いと言われた
- 2025年2月、4月にアメリカに引っ越すことに決めた
- 2025年4月に狂犬病予防注射を受けるように言われたが、4月に出国するので受けなかった
このような状況でいろんな疑問があったので動物検疫所に質問Eメールを送りました。
Q&A
- アメリカで発行された書類は日本出国に有効ですか?(①マイクロチップによる個体識別②マイクロチップ装着後2回以上の狂犬病予防注射③狂犬病抗体価(0 .5IU /ml以上))
-
日本で発行した書類ではないため、輸出検疫証明書を発行するための担保書類として有効とはみなされません。
一方で、①~③の情報は全て、2024年7月の日本入国時に発行された『輸入検疫証明書』に記載されているかと存じます。
輸入検疫証明書は日本国が発行した書類のため、有効な担保書類となります。
- 日本の法律では狂犬病予防注射を一年に一度受けなければいけないので、(その期限がすぎているので)日本で受けなければ出国できないのでしょうか。
-
出国できないということはありません。
2.飛行機の予約とルールを確認する
- 飛行機の予約は遅くとも10日前までに
- 利用する航空会社のペット輸送の手続き・ルールの確認
出発の10日前までに「輸出検査申請書」を提出し、輸出検査の予約を取る必要があります。
そのため、飛行機の予約は遅くとも10日前までには済ませる必要があります。
過去6ヶ月間に狂犬病清浄国または低リスク国にのみ滞在していた犬は、どの空港、港、または陸路の国境検問所からでも米国に入国できるようです。
【国際線/米国本土行き】ペットは機内持ち込みできる?
国際線でペットを機内持ち込みできるかは、利用する航空会社によって異なるようです。
さらに犬種や健康状態、妊娠中のペットには制限もあるようです。
預け入れ
飛行機に搭載できるクレートの数にも限りがあるので、ペットのスペースを確保するためにも事前予約が必須です。
利用する航空会社によってペットの貨物輸送の手続き・ルールも異なりますので、各航空会社に問い合わせしてください。
さらに使用できるケージやクレートのサイズやタイプも航空会社によって異なるのでその点も注意してください。
サービスアニマル
アメリカ系の航空会社にはアメリカのルールが適用されるので、アメリカのサービスアニマルは条件を満たせば機内に搭乗することができます。
アメリカ系でなくても条件を満たせば機内に搭乗できますが、必要書類がたくさんありました。
ユナイテッド航空
- CDC Dog Import Form Receipt
- U.S Department of Transportation Service Animal Air Transportation Form
- United States Department of Transportation Service Animal Relief Attestation Form
うちの愛犬は夫のサービスアニマルなので、ユナイテッド航空は必要書類3枚のみで機内に搭乗することができました。
これも航空会社によって異なると思うので、よく確認してください。
日本入国時にはアメリカ系の航空会社ではないシンガポール航空を利用し機内に搭乗しました。
その時は医者からの手紙など必要書類がたくさんあり、ギリギリまで機内搭乗の許可が降りずハラハラしました。
日本の空港では日本のルールが適用されるので、補助犬以外は空港内を歩くことができません。
飛行機に搭乗する直前まで体全体が収まるキャリーなどに入れなければいけません。
3.必要書類を集める
アメリカ側
- マイクロチップ装着
- CDC Dog Import Form
日本側
- 輸出検疫証明書
航空会社
- 各航空会社で必要な書類
マイクロチップ装着
ISO規格のマイクロチップ
Your dog’s microchip can be any brand, but it must be ISO-compatible (International Standards Organization) meaning it can be detected with a universal scanner. The microchip number must be listed on all documentation required for dogs that have been in a high-risk country in the 6 months before entering the U.S.
引用:Frequently Asked Questions on Dog Importations
→【訳】犬のマイクロチップはどのブランドでも構いませんが、ISO規格でなければなりません。つまり、ユニバーサルスキャナーで検出できる必要があります。米国に入国する前の 6 か月間に高リスク国に滞在していた犬に必要なすべての書類に、マイクロチップの番号が記載されている必要があります。
うちの愛犬にはアメリカで装着したISO規格の「Home Again」のマイクロチップが装着されています。
これから装着する方は、ISO規格であることを確認しましょう。
ISO規格でないマイクロチップを装着している場合、ISO規格のマイクロチップを追加で装着する必要があります。
2個装着していても、どちらも更新すれば問題ないようです。
読み取れるか確認
Check with the microchip company or the dog’s veterinarian to determine whether your dog’s microchip is readable with a universal scanner. If your dog’s microchip number starts with a number other than 9, be sure to check with your veterinarian that it is readable.
引用:Frequently Asked Questions on Dog Importations
→【訳】マイクロチップの会社または犬の獣医に問い合わせて、犬のマイクロチップがユニバーサルスキャナーで読み取り可能かどうかを確認してください。犬のマイクロチップの番号が 9 以外の数字で始まる場合は、必ず獣医に読み取り可能かどうかを確認してください。
動物病院を受診した際などに、マイクロチップがきちんと読み取れるか再度確認してもらいましょう。
CDC Dog Import Form
- 申請後数分でEメールに受領書(Receipt)が届く
- 受領書(Receipt)は6ヶ月有効
- 内容に変更があった場合は、もう一度申請する
- 申請料:無料
このフォームはオンラインで申請後すぐに受領書(Receipt)が自動で生成されEメールに届きます。
申請して受領書が発行されると6ヶ月有効です。
飛行機のチケットを取り次第、申請しても遅くありません。
「Entry Requirements for Dogs from Dog-Rabies Free or Low-Risk Countries」の「Complete the form」のリンクを開きフォームに入力します。
②過去 6 か月間、その犬は犬の狂犬病の危険性が高いと考えられている国に滞在していましたか? – 過去6ヶ月以上日本に滞在していたなら No
飼い主の名前、パスポートの番号、犬の情報、などを入力していきます。
犬種にキャバプーという項目はないので、「Mixed Breed/Other」を選択しました。
内容に変更があった場合は新たに申請しなおせばいいようです。
輸出検疫証明書
- 輸出検査申請書を希望日の10日前までに提出
- 輸出検査の予約
- 前日か当日に空港の検疫所で輸出検査
- 輸出検疫証明書をもらう
輸出検査申請書
- 利用する空港の検疫所にEメールで送る
- または NACCS(オンライン申請)
希望日の10日前までに輸出検査申請書と必要書類を提出します。
方法はEメールかオンライン申請の2通りあり、どちらでもOKです。
私はすっかり忘れていて、パニックになりながら4日前にEメールで提出しました。
目につきやすいように件名に【緊急】と記載しました。
検疫所の方はとても親切で、こちらのミスにも関わらず丁寧に迅速に対応してくださいました。
指示された通り、日本に入国した時にもらった「犬の輸入検疫証明書」と「CDC Dog Import Form receipt」と「輸出検査の希望時間」をEメールに送付しました。
輸出検査の予約
- 出発の前日もしくは当日
- 余裕を持って3-4時間前に
輸出検査は飛行機の時間によっては前日もしくは当日に受けることが推奨されています。
ギリギリすぎると飛行機の出発時間に間に合わない可能性もあるので3-4時間前が安心です。
当日の出発4時間半前の時間に予約を取ることができました。
輸出検査
持ち物
- 輸出検査申請書を印刷したもの
- 輸入検疫証明書の原本
- CDC Dog Import Form Recieptを印刷したもの

成田空港は、ターミナルにそれぞれ検疫所が設置されています。
上記の説明通り中央ビルに到着したら、2階へ行きました。職員専用ドアの前で電話しても電話が繋がらず…。
2階にあるサポートセンターに行くと、ランチかもしれないと言われました。
12時に予約しているのにそんなことあるの!?と思いつつ、、

真下の1階の職員専用ドアの横にドアベルがあるので鳴らすように言われ、1階に移動。
ドアベルを鳴らし、要件を伝えると書類をカメラに向かって見せるように言われました。確認が取れドアが開錠されました。
結局案内図が更新されていなかったようです。最初から1階に行きドアベルを押した方が良さそうです。
空港のオフィスのような場所に入っていき、エレベーターで2階へ。

検疫所は、廊下の一番奥の薄暗いところにありました。
検査ではまず一緒に書類を確認し、申請者の身分証明書を提示、書類に署名をしました。
そして最後に検疫官によって簡単な健康チェックがありました。
検疫所を探すのに時間がかかってしまいましたが、検査自体は約10分で終了しました。
輸出検査証明書
- 「輸入検疫証明書」の原本は回収される
- 「輸出検疫証明書」の原本と写しをもらう
- 「QUARANTINED」と記載された緑の紙をもらう
輸出検査終了時に日本入国時にもらった「輸入検疫証明書」の原本は回収されました。

代わりに「輸出検疫証明書」の原本と公式な型押しがしてある写しをもらいました。
今後日本入国などに必要になる大事な書類なので、また大切に保管します。

あとは検査が完了した印として「QUARANTINED」と印刷された緑の紙をもらいました。
これで日本側の出国条件に必要な書類が取得できました。
各航空会社で必要な書類
利用する航空会社とペットの輸送方法によって異なるのでよく確認してください。
ユナイテッド航空
- CDC Dog Import Form Receipt
- U.S Department of Transportation Service Animal Air Transportation Form
- United States Department of Transportation Service Animal Relief Attestation Form
アメリカのサービスアニマルでユナイテッド航空を利用し、必要な書類は3枚だけでした。
番外編:当日の流れ
いつも通り散歩して、いつもの朝ごはんを与えました。
午前中は散歩がてらコーヒーを買いに。
11amに成田空港へ出発。

成田空港に到着。

空港内は補助犬以外歩けないので、キャリーに入れました。

アメリカで購入した折りたためて転がせるキャリーが重宝しました。
輸出検査自体は約10分で終了。

カウンターが開き次第荷物を預け、ギリギリまでターミナルの外で散歩しました。
成田空港の第1ターミナルの中央ビルの前には小さな緑地エリアがあります。
日本入国時にカスタマーサポートで確認したところ、ここで排泄させていいと言われました。
出国の今回もギリギリまでここで散歩してほどよく運動させ排泄させました。

飛行機の入り口でキャリーを預け、キャビンに搭乗しました。
予約時に広めの席にアップグレードしてもらいました。
長時間トイレに行くことができないので、念のためマナーウェアも数枚持参し装着しました。

05. アメリカ入国時に書類を提示

- 入国審査で「CDC Dog Import Form Reciept」を提示
- 「輸出検疫証明書」も準備
成田空港から約10時間のフライトで、ロサンゼルス国際空港(以下LAX)に無事到着しました。
LAXでは検疫所に立ち寄る必要はありませんでした。
いつも通り入国審査を受けました。私たちはグローバルエントリーで入国し、その時に入国審査官に「CDC Dog Import Form Reciept」を提示するように言われました。
日本でアメリカで見せてと言われた「輸出検疫証明書」は提示する必要はありませんでしたが、準備しておきました。
マイクロチップをスキャンしての確認などもありませんでした。入国審査官によって違うのかもしれません。
あっさり入国OK。とても簡単に再入国できました。そのあと預け荷物を受け取り、帰路につきました。
前後も合わせると約17時間の長旅でしたが、愛犬は終始とてもいい子でよく頑張ってくれました!
かかった総額費用は?
すでにアメリカで済ませていたマイクロチップ装着代($39)は含めていません。
CDC Dog Import Form – 無料
輸出検査 – 無料
総額 0円
日本からアメリカまとめ – 重要ポイントのおさらい
- 必ず両国の最新情報を確認
- 手続きには最短でも約10日かかる
- かかった総額費用は0円
- ISO規格のマイクロチップがユニバーサルスキャナーで読み取れるか確認
- 7ヶ月以内に日本へ再入国の予定がある方は、再入国に必要な書類も準備
- アメリカで再入国の準備をすると、最短でも7ヶ月かかる
少しでも不安なことや疑問は、利用する空港の検疫所にEメールして確認してください。
日本入国の時にもお世話になりましたが、検疫所の方はとても親切です。
日本からアメリカへの再入国の手続きはとても簡単でした!
アメリカから日本へ入国にかかった費用は約$1000だったのに対し、アメリカへの入国にかかった費用は0円でした。(マイクロチップ装着がまだの方はその費用がかかります)
それだけ日本への輸入には厳しい検査があり、65年以上狂犬病がない国として守られてきたことがわかります。
無事アメリカに再入国できて一安心です!